自治基本条例と総合計画としての基本構想

2008年8月18日 13時50分 | カテゴリー: 活動報告

岐阜県多治見市の事例に学ぶ

30年前の基本構想を変えることなく持ち続けてきた練馬区は、現在、新基本構想の策定にむけて「基本構想審議会」が行われています。
基本構想を「絵に描いた餅」にしないために市政基本条例に総合計画について定め、基本構想と基本計画を議会の議決事項として位置づけている事例として、岐阜県多治見市に学ぼうと16期初当選の新人議員8名、3会派合同視察を実施しました。

<多治見市の基本構想>
総合計画(市政基本条例第3章20条より)現在は第6次総合計画(2008年〜2015年)
*総合的かつ計画的に市政を運営するために策定しなければならない
*基本構想、基本計画、実行計画で構成される
*市の政策を定める最上位の計画、緊急を要する以外の政策はこれに基づく
*市民参加を経て案を作成、基本構想と基本計画は議会の議決を経て策定される
*計画期間(現在は8年)を定めて策定され、市長の任期ごとに見直される
*市は基本計画に基づく事業の進行を管理し、その状況を公表しなければならない
*各政策分野における基本となる計画を策定する場合は、総合計画との関係を明らかにし、策定後は、総合計画との調整のもとで進行を管理しなければならない

基本構想はめざすべき将来像を定める(期間8年)
基本計画は基本構想を実現するための事業を定める(前期計画4年、後期計画4年)
実行計画は事業の進め方を明らかにする(期間4年毎年見直し)

総合計画を市政基本条例に位置づけたのは、市長が代わっても担当者が代わっても一定の水準を保つためであり、必要があれば見直しできる柔軟性を持たせるが、市が勝手に変えられないように見直しの手続きを定めている

<策定過程への市民参加>
多治見市には、市政基本条例に基づいた市民参加条例があり、市民参加の対象(第2章第5条)や方法(第3章第11〜17条)が規定されています。特に13条の市民との懇談会は「地区懇談会」として13小学校区で市長が出席する前期、副市長が出席する後期の2回行われています。

*進行管理をしている付属機関「第5次総合計画市民懇談会」で、第5次総合計画の総括

*地区懇談会で第6次総合計画についての意見交換(前期13会場、後期2会場)
*団体ヒアリングを10団体で11回(策定機関の短縮のため、公開討論会を行わずに事務局が各団体へ意見を聞きに行った。地区懇談会の参加者が50代、60代が多いので、子どもや若い世代の所属する団体を選択した)
*市民意識調査
*市民との協働で総合計画を策定を進めていくための市民委員会(公募で10名を選出)を7回開催(要綱設置)
*計画の策定について必要な事項の調査や審議を行う総合計画審議会(第6次は16名)を2回開催(条例設置)
*9月に基本構想(素案)、11月と12月基本計画(案)に対してのパブリックコメントを3回実施
*計画の策定について必要な事項の調査や審議を行う総合計画審議会を2回開催

*2008年第1回多治見市議会定例会に議案として提案(市民参加条例第6条第3項に基づく市民参加状況の報告が資料として提示された)
※総合計画案の検討は、市民参加の検討と並行して特別委員会で審議された
※庁内検討は本部会議、企画会議、ワーキンググループ、各部課で行われたほか、職員提案や庁内LANへの情報提供で意識の共有化を図った

<市政基本条例>
地方分権一括法が制定され、地方分権の推進による首長権限が拡大していくことから、市民主権の市政をすすめるために自治体の最高規範として制定されました。
市民が自由に参加できる市政研究会を34回開催。総合計画の手続きを盛り込むことは議会から提案された。議会の設置(第8条)と議会の役割と責務(第9条)を重く受け止めた議会が、議会基本条例の制定に向けて検討会を15回開催しているそうです。

練馬区では「(仮称)練馬区自治基本条例」が2006年7月に(仮称)練馬区自治基本条例を考える区民懇談会の提言を受けたまま、検討中となっています。
練馬区ホームページ参照 http://www.city.nerima.tokyo.jp/kikaku/jichi/
練馬区として基本構想の位置づけを今まで練馬区政の最上位としてきましたが、(仮称)練馬区自治基本条例の制定も含め、区民主権の区政実現に向けて、区民、議会、区が話し合っていくべきだと思いました。