中学校教科書は現行教科書を継続することに

2009年8月11日 11時34分 | カテゴリー: 活動報告

教育委員会傍聴の抽選に当たりました!

このような急ぐ日に限って、西武池袋線は遅れていて、ついてないなぁと思いながら9時半に到着。整理券は27番思わず「古田だ」とちょっとうれしい。野球では18、27など足して9になる数字は縁起がいいと聞いたことがあるからなのですが。
9時45分抽選開始、最終人数は40人で傍聴席は18席です。5番目か6番目に「27番」が引き当てられ、傍聴することができました。
本来なら全員の傍聴を認めるべきで、多数の傍聴者が見込まれるときは、広い部屋を確保して開催すべきだと改めて感じました。

以下は、教育委員会の傍聴報告です。 
メモから起こしているため不正確な部分もありますので、予めご了解のうえお読みください。

新たな教科書のない15教科について、前回採択図書を引き続き使用することを確認。
新たに自由社版が加わった「社会の歴史分野」についての審議の進め方を話合い、前回採択した「教育出版」と新規の「自由社版」を比較した意見を出し合うことになりました。

☆教育長から以下の4点が前提として確認されました。
  ○新学習指導要領への移行期間(20010、2011年度)に使用する教科書であること。
○来年度入学生は、3年生で、その翌年度入学生は、2、3年生で新学習指導要領に基づいた教科書を使って学習すること。
  ○各校の教育課程の編成は校長が決めること。
○文部科学省は数学と理科については移行期間の補助教材を配布しているが、社会は補助教材が配布されないため、現行で大丈夫との判断であること。

☆意見を順不同・同意見はまとめて羅列します。

・自由社版の教科書は文字が小さく、中学生の読解力を考えると難しい。教育出版の方が文字も見やすく、中学生にわかりやすい記述である。(全員が指摘)

・教科書を学ぶのではなく、教科書で学び、自ら学ぶ意欲を促すことが必要。教育出版には「歴史の宝庫、博物館に行こう」のように発展的学習の糸口になるものがある。

・教科書協議会の答申などでも指導上問題がないとの答申であった。補助教材や副読本など指導は工夫しておこなうものである。

・歴史上の人物は自由社版が488人、教育出版が283人と開きがあるが、多ければよいというものでもなく覚えることばかりになってもよくない。

・自由社版が一般の書店でも販売され、神話が多すぎるとの批判があるが、日本はアメリカなどと違って歴史が長いため、国の始まりについては神話や伝説が多い。神話はいらないというのは行き過ぎで大事にすべきものではある。新学習指導要領の伝統文化・宗教に関する学習の充実については自由社版のほうが、歴史上の人物も多いし、神話も取り上げている。

・新学習指導要領では近現代の学習の充実が示されている。教育出版は明治時代、第一次・第二次大戦時、第二次対戦以降の3つに分けられていて、改定の趣旨に沿っている。自由社版は明治時代と第一次・第二次大戦とそれ以後の二つにしか分けられていない。

・過去を学んで、大切にしながら、将来に向かっていく事が大事。教育出版は扉で、アジアの世界遺産、平和への願いなど世界の中の市民としてひとりとして考えることを示している。自由社版には平和学習をテーマにしているページがない。歴史と平和の学習は不可分である。

・教育出版は新しいページ(章が変わるごとに)の下の部分に歴史年表があり、日本だけでなく中国や朝鮮の歴史もあわせて示している。わが国の歴史を世界の歴史を背景にして学ぶことができる。

・自由社版にはイラストがない。教育出版のイラストは学習に邪魔にならない程度に、興味を引くように配置されている。イラストがないと若い人に本を読んでもらえない現実がある。

・当時は使っていたかもしれないが「有色人種」「シナ事変」「大東亜戦争」など現在使うべきでない言葉を自由社版で使っている。人権教育上もどうかと思う。

結論の前に教育長が「教科書採択についてマスコミが報道し、社会が関心を持っている。戦後64年間国として歴史がどうであったかというナショナルスタンダードの合意ができていない。同じように大戦を経験しながら、ヨーロッパの中で認められている国もある。国民同士、国同士の理解が不足している。子ども達にとってよくないことである。この問題の解決には国レベルのことが必要である」と発言しました。

全員一致で、教育出版が採択されました。

議事録は1ヶ月半〜2ヶ月で掲載されますので、下記のホームページでご確認ください。
http://www.city.nerima.tokyo.jp/gakkou/iinkai/iinkai2108.html

平和学習やこれからの子ども達は国際人として世界の中の日本という視点が必要など、ナショナリズムに偏らない教育の必要性が語られていたように感じました。
今回示された「教科書を学ぶのではなく、教科書で学び、自ら学ぶ意欲を促すことが必要」「歴史と平和の学習は不可分である」この視点が、教科書採択に今後も生かされていくことは必要であると思います。