視察報告「被災経験を踏まえてバージョンアップ」

2014年11月26日 13時43分 | カテゴリー: 活動報告

 

被災地での経験を生かした復興、防災・減災を学ぶために仙台市石巻市に総合・災害対策等特別委員会で視察に行きました。仙台市では、2015年3月に行われる「第3回国連防災世界会議」を誘致することを目標に、防災都市のまちづくりを市民協働で取り組み、市民力を向上させました。2012年10月に国内では兵庫県に続き2例目となる国連の「防災ロールモデル(模範)都市」に認定され、2015年の開催地となっています。石巻市では、震災に加え津波と火災による大規模な被害の状況と復興計画に基づく復興の取り組み状況について説明を受け、車中から現地を見学しました。工事契約の不調が続き、思うように復興が進んでいないとのことでした。

◆ 仙台市の防災先進都市をめざす取り組みについて

被災時の公助では、マンパワーが足りないことを実感し、自助・共助の強化に取り組んでいます。1万5千人を対象に市民アンケートを行い5割の回答を得て、地域防災計画を見直しました。そして『「市民力」「地域力」を生かした「自助・共助」と「公助」協働による全市一丸となった災害対策「100万市民の総合力による防災」を目指す』を基本理念としました。市職員が開設・運営に関わる「指定避難所」、物資を保管する「補助避難所」、地域住民が自主運営する「地区避難所」に分類、避難所運営のマニュアルで役割分担を明確にし、地域団体、仙台市、施設による事前協議で地域版のマニュアルも作成しています。事前協議をすることによって、当事者意識も高まり、より具体的にイメージをもって行動にむすびつけることができます。

練馬区では、小中学校99か所を避難拠点に指定し、避難拠点要員の職員を配置しています。さらに避難所運営などを協働で行う住民参加の避難拠点運営連絡会がありますが、参加者が増えないことや高齢化などの地域それぞれの課題があります。仙台市の実体験にもとづくわかりやすいマニュアルづくりや防災意識を高めるためのきめ細かなはたらきかけは練馬区でも取り組むことで、市民力・地域力を高めていけると考えます。

 

◆ 石巻市の東日本大震災の復興状況について

石巻市は死者および行方不明者約4,000人、全壊・大規模半壊41,169棟で、震災、津波に加え火災によって大きな被害が発生しています。事後アンケートの回答者の6割が自動車で避難していて、日常的にも移動手段が車しかないことや高齢で長距離が歩けないなどが理由のようです。津波避難タワーの建設や津波避難ビルの指定など身近な避難場所を増やしているとのことでした。担当の総務部危機対策課長は震災当時に消防本部に所属していて、現場での話も聞くことができました。

2011年第四回定例会で議決された「石巻市震災復興基本計画」は2011~13年の復旧期、2014~17年の再生期、2018~20年の発展期で構成され、再生期に入ったところではありますが、復興住宅への以降が進む一方で、仮設を出られない住民への支援が課題のようです。移動するたびにコミュニティから離れることとなり、高齢者にとって生活環境が変わることは大きな負荷となっています。復興住宅の入居者に対し、市がイベントなどを企画し、入居前から顔を合わせる機会をつくっているとのことでした。コミュニティの維持、再生への取り組みが重要であることを改めて感じました。