「都市農業の継続はコミュニケーションが大事」農業体験農園を視察

2016年8月29日 10時20分 | カテゴリー: 活動報告

20160710白石農園視察523区で最も広い農地面積をもつ練馬区ですが、約20年の間に農地面積は半分程度に減少しています。農業についても後継者や相続税などの課題があり、都市農業・都市農地を残していくためにさまざまな工夫がされています。練馬区で1996年4月に第1号「緑と農の体験塾」が開設し、区内には17か所、さらに全国体験農園協会ができるほど全国的に広がっている農業体験農園のひとつ「大泉 風の学校」を視察しました。

20160710白石農園視察3この日はとうもろこしなど夏野菜の収穫・後片付けと秋冬野菜のニンジン・長ねぎなどの作付けについての講習会がありました。講習会を見学したあと、園主の白石好孝さんから話を聞きました。

都市農業の理解を進め、コミュニティの形成につながる

住宅街の中で農業を続けるためには、地域住民の理解が欠かせません。体験農園によって農業者との交流が生まれ、農作業を体験することで、理解が深まります。また、農業者は指導をすることで、本業の農作業でもより良いものを作ろうとする意欲につながっているそうです。所有している農地の約4~6割を体験農園にすることは、安定収入につながるだけでなく、都市農業の継続・発展につながっていることがわかりました。

20160710白石農園視察2最近では、「安心でおいいしい野菜が食べたい」と子育て中の家族の参加が増えているようです。手探り状態で育てる区民農園などと違い、農家の指導のもと確実に収穫が見込めることが魅力となっているのです。視察当日も子ども達が園内を走り回っていました。多世代の利用者が農作業やイベントを通じて交流することでつながりができ、コミュニティの形成にもつながっています。

 

ひとりにしないことが、後継者の支援に

20160710白石農園視察7最近の農業の後継者は、会社員として人と接しながら仕事をしていた人が多いため、ひとりで作業することが多い農業では、孤立感を感じやすいことが続かない理由のひとつと白石さんは言います。しかし、農業体験農園を開設すれば、園主同士や地域住民との交流ができるのです。さらに、先代との役割分担をすることで、互いに認め合う関係が作れることが大切とのことでした。

都市農業をさらに親しみやすく、魅力あるものにするためにリクレーション機能の「ブルーベリー観光農園」や練馬産野菜の即売会「ねりマルシェ」など新たな事業にも取り組んでいます。

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都市農地は資産ではなく資源です!

これまで都市農地を資産として、集合住宅などに転換することが多かったが、地域の資源として活用し、残していくべきとの考えに共感しました。都市農地の機能は、農産物供給機能、レクリエーション・コミュニティ機能、福祉・保健機能、環境保全機能、教育機能、防災機能、景観形成・歴史文化伝承機能と幅広く、地域住民や自治体との連携で進めることが必要と感じました。